2008-03-07掲載
量子の世界はいったいどうなっているのか?
その集大成が、
「量子力学」と呼ばれる学問です。
今回は、それを「おさらい」する
ってタイトルを付けてしまいました。
「量子力学」を勉強すれば、
量子がどんなふうに存在していて、
それらをどう理解したらいいのか?
がわかるはず。
ごくごくかいつまんでいきますので
もうほんと、ゴクッとどうぞ。
いやあ、なんだかだんだん
思いだしてきたぞ。
何をですか?
物理や数学って、
わかったかと訊かれたあとに
必ず「問題」っていうのがあって
要するに理解するだけじゃなくて
「問題」ができないとだめなんですよね。
???
ね?
うーん。
でもたいがいの場合、問題を解くほうが
本当に理解するよりも易しくないですか?
えええ?
“ご冗談でしょう、リョーシカさん”
ま、とにかく量子力学をおさらい
ってことで、行きますよ。
はい。
量子力学は、1900年のプランクから
始まって
(第11週を参照)、
アインシュタイン、ボーア、
ハイゼンベルク
(第13週)、
シュレーディンガー
(第18週)、
といったたくさんの物理学者によって
作りあげられていきました。
第11週より、プランクの「とびとびの値」
はい。「前期量子論」ですね。
19世紀の終わりに、物質の世界を
すべて説明するかに思われた物理学が
地味な課題をほんの少し残していた。
それを説明しようとして、
まったく考え方の違う、
新しい物理学が誕生したんですね。
考え出した本人たちが理解するのに
かれこれ20年ぐらい必要だった。
そのくらいに常識と隔たった、
新しいアイデアだったと言えるでしょう。
ふむむ。
量子力学の特徴を挙げてみましょうか。
・とびとびの値をとる
(第11週)
・波であり、粒子である
(第4週、他)
・ミクロの世界を支配する法則
(第6週)
・シュレーディンガーの波動方程式で表せる
(第18週)
・測定によって対象の状態が変わってしまう
(第15週)
第4週より、波と粒子(写真はイメージです)
うわー、なるほど。
改めて眺めてみると、
確かに、どれもそんな話、ありましたよ。
それから、主に20世紀に
発達した量子力学に対して
ニュートンに代表される、それ以前の
力学のことを古典力学といいます。
では、──ここで問題です。
あれれ? やっぱり問題ですか!
これらの「量子力学」の特徴に対応する
古典物理学(力学)の特徴を挙げたら、
どのようになると思いますか?
うーん、それはですね。
たぶん、反対のことを言えばよさそう。
古典物理学の場合
・連続した値をとる
・物質の性質は大きく波と粒子がある
・マクロの世界を支配する法則
・ニュートンの運動方程式で表せる
・測定によって対象は変化しない
すごいじゃないですか。その通りです。
やったあ!
でも4番目のシュレーディンガーの
波動方程式というのは
どういう話でしたっけ?
まず、粒子のような物質が
動いている場合に、一定時間後、
それがどこにあるかを求めるのが、
ニュートンの運動方程式でした。
ある物の最初の位置と
それがどういう速度で進んでいるかが分かれば、
ニュートンの運動方程式を使って
その軌道を求めることができる。
(第12週を参照)
一方、量子力学では、一定時間後の
物の位置を予測することはできません。
物の位置は、ここにも、あのあたりにも
同時に存在するという状態に変化してしまいます。
その様子を数学的に表現したものが
シュレーディンガーの波動方程式です。
第12週より。ここにもあそこにも同時に存在する、量子的な状態
この「ここにもあそこにも同時に存在する」
っていうのが、なかなか難しいなあ。
だけど、それだけじゃなく「とびとびの値」で
「波でもあり粒子でもある」あげく、
「測定よって状態が変化」するんでした。
ほんっとに「かいつまみ」ましたけれども
……量子のふしぎさは、かえって濃縮!?
はい。今週はこれにて。
お、ちょっと!
(つづく)
猫でもわかる量子力学超入門!?
といった趣向でお届けしましたが
いかがでしたでしょうか。
このようにまとめてみると
量子的な考え方が
かなりユニークな土台のうえに
成り立っている、ということが
改めて感じられるのではないでしょうか。
それにしても、量子というのは
人間にとっておよそ新しい考えなのですから、
おさらいしたからって仕舞い込まずに、
その新しいルールを使ってみたら
何かできないだろうか──。
と、おいおいそんな話も
採り上げていきたく思っておりますよ。
というわけで、
来週もリョーシカ!な展開を
どうぞおたのしみに。
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