2007-02-15掲載
何かヘン。
そう、量子の話って、
実はいつもそうなんです。
「量子力学は直感的にわかりにくい」
なんて言われてます。
『週刊リョーシカ!』を読んでいて
そういうことがあったら
ぜひ、わたしといっしょに
「リョーシカ!」と言ってくださいね。
さて先週は量子の状態を測定するというお話でした。
今週はより具体的に、量子状態について
考えていくことにいたしましょう。
そうそう、
もしも、すっきり!わかった時には
「マト・リョーシカ!」と叫ぶのを
お忘れなく。
いきなり私事で恐縮なんですが、
先日、旧友に会いましてね。
はい。
会社で上司が、ああしろと言ったかと思えば
こうしろと言う、典型的な
「思いつきで物を言う上司」だって
こぼしてましたよ。
まさに「朝令暮改」ですね。
むむ、リョーシカが“ことわざ”を言うなんて!
いやあ、今週は波乱の幕開けだなあ。
脱線ついでに、お伺いしますが
リョーシカは座右の銘とかあるんですか?
はい。これです。
「福分をもって把持する」です。
むむむ!
気がつかなかったなあ~。
で、どういう意味なんです?
はい。
人それぞれに天分がある。
これをそれぞれが発揮し、力を合わせて
世の中のために役立つことをしていく
といった意味だと考えています。
ふーん。なるほど。。
ところで今週は、
「犬が西向きゃ尾は東」という話。
ええと、量子状態の話ですね。
そのことわざに出てくる東と西、
これらは、正反対の向きです。
何かが東であれば、その反対は西ですよ
ということです。
つまり、あったりめえでい、
という意味でしょう?
ええと、量子の場合、例によって、
その当たり前が、違うのです。
むむ、
量子の場合は、東でもあり、西でもある。
東と西がいくぶんかずつ
重ね合わさった状態にあるのがふつうです。
これを「重ね合わせ状態」と言います。
うーん、東は東、西は西であって、
正反対の向きでしょう。
それが重なり合うっていうのは、
ちょっとヘンじゃないですか?
たとえば、こんな感じ?
うーん、イメージは違いますが
ヘンというのは、その通りです。
東という成分、西という成分が
幾分かずつ含まれている、
という状態にあるのです。
そこで仮に、東か西かを測る
測定器を持ってきて
これを測ってみましょう。
すると、東か西かどちらかになる。
たとえば、元の状態が「東西西」なら、
東か西かと言えば、
「西」となる場合が多いし、
「東東東西」なら、「東」という結果が
出ることになります。
すると測定結果としては同じ「東」
または「西」であっても、
その元の状態はいろいろな場合が
考えられるわけですね。
「東東西西」とか「東東西西西」とか。
……これはもしかして、前回でてきた
「測ったらこの値だったという、
同じ結果が出る量子状態は
およそ無数にある」と同じですか?
いやーすっきりしたなあ。
さらに、この東西という軸だけでなく
実際には、南北の方向にも、
そして空と地の方向にも、
量子のとり得る状態は、
空間的に広がっています。
「菜の花や月は東に日は西に」
ということですね。
いやあ、イメージがひろがりますねえ。
今週は、これにて。
(つづく)
地球とか宇宙のように巨大なものも
素粒子や量子のようにミクロなものも
宇宙は相対論、ミクロは量子論
というわけで、
いずれも物理学の領域なんですよね。
うーん、物理って、
なかなかダイナミックな学問かも。
これから学問を目指そうという方
ぜひ「科学」や「物理」も
選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
(わたしのように、どうもその、
「福分」がそっちじゃない……
という場合も、あるかと思いますが。)
というわけで、来週も
ゴーゴーと進む『週刊リョーシカ!』を、
どうぞおたのしみに。
第11週~第20週
2008-01-11
2008-01-18
2008-01-25
2008-02-01
2008-02-08
2008-02-15
2008-02-22
2008-02-29
2008-03-07
2008-03-14