2007-10-26掲載
ここに「マトリョーシカ」という
お人形がありまして、
ロシアの民芸品なんですが、
いわゆる入れ子状になっております。
具体的に申しますと、
この赤いマトリョーシカの胴体部分をひねると、
中から一回り小さい人形が出てきます。
はい。
そしてこのオレンジの頭巾をかぶった小さい人形の
胴体をまたひねりますと、
中からより小さな人形が出てきます。
このように、最後の人形は
おくるみの赤ちゃんであることが多いですね。
なるほど。それでもう出てこないのですか?
これは3体組のマトリョーシカなので、
これでおしまいです。
私もあまり詳しくないのですが、
このほか5体組とか7体組とか、もっと大きく
膨大なマトリョーシカ群もあるようです。
そうですか。……たとえばですね、
今、赤いマトリョーシカの中は、
オレンジのマトリョーシカという構造体でした。
それで終わりかな? と思ったら、
赤ちゃんのマトリョーシカがでてきたんでしたね。
そうです。
では赤ちゃんのマトリョーシカの中は
どうなっているんだろう? と考えるとですよ、
中にはまた別の物理構造があるかもしれませんね。
はあ。
それにはまず、
もうちょっとグッと寄って見てみましょうか。
はい、こんな感じ。
ええ。ではもっともっと寄ってみましょう。
塗料が見えます。それから木くずのようなのが
細かく散らばっています。
肉眼で見えるのはそのくらいが限界でしょうね。
でももし顕微鏡で見たら、と考えてみましょうか。
どうでしょう、世界が広がりますね?
肉眼では見えなかった、
ごくごく小さなものまで見ることができるわけです。
はあ。
どうしてかと言いますとね、たとえばいろんな
マトリョーシカがあるとします。でも物というのは
みんな「何か」からできているはずです。
それが何なのか、外見の形にとらわれずに、
どんどん小さいものを追っていくと、これぞ究極!
という物が、突き止められるかもしれない。
これぞ、すべての物の「素」なんだという物質が。
なるほど!
それは面白い探求なんですけれどもね。
リョーシカはそれを研究されているわけですね!
そうではないんです。
は?
量子は「はい、これです」と
お見せできる「物」ではないんです。
じゃあ何なんですか?
量子は概念です。というのは……
次週ということにしましょうか。
ええ?
(つづく)
わたしのネコナデ声も聞かず、
リョーシカは去っていった……
というわけで『週刊リョーシカ!』は、
スタートから"リョーシカ!"な展開に。
このつづきは、今後、
毎週(だいたい)金曜日にお届けする予定。
"リョーシカ!"なコンテンツが週ごとに増殖します。
どうぞおたのしみに。
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