2008/04/18掲載
「20の質問」というゲームを
ご存知ですか?
出題者にまず答えをひとつ用意してもらいます。
質問者は20の質問をすることができます。
で、答えを当てようというわけです。
Q:それは生き物ですか?
Q:それは馬より大きいですか?
といった具合に質問していくわけですが、
Q:それはどんな色ですか?
のようにYESかNOで答えられない
質問をすることはできません。
さて本題に戻って、
今週も前回に引き続き、
キュービットを採り上げて
まいります。
今回注目するのは、測定の向き。
さっそく、始めていきますよ。
「20の質問」の前に、
ひとつ質問してもいいですか?
はい。
いやね、なんでリョーシって
いつもこう測定が問題になるのかなあ
と思って……。
そう、そこで「20の質問」なんです。
ひゃっ!
質問をすると、
YESまたはNOで答えてくれる。
それをヒントに答えを当てるゲームですね。
もちろん、ウソをついてはいけません。
まあそこがミソというか……。
この「20の質問」で
出題者に質問をする、というのと、
キュービットを測定する、というのは
実はよく似たところがあるのです。
なぬ~。
キュービット(量子ビット)では、
古典的なビットに対応する0と1の間に、
三次元に広がる空間がありましたね。
(第23週を参照)
それがリョーシ特有の「重ね合わせ状態」
でした。
はい。キュービットの状態は
たて・よこ・奥行きの3つの向きに
広がっています。
そこでその状態を知るには
「状態はどこにありますか?」
と質問できればいいと思いませんか?
うん、うん。いーですね、それ。
ところが、量子の大きな特徴のひとつに
「離散的」
であることが挙げられます。
つまり、せっかくの重ね合わせ状態も、
ひとたびこれを測ると、
0か1かの答えが返ってくるのです。
はっ、そうでした。
それがつまり「とびとびの値」。
(第11週を参照)
ですから、量子は
「それは0ですか、1ですか?」
という
質問には答えてくれますが、
「どこですか?」という質問には
答えることができません。
そこで、たとえば状態が0と1の向きとは
全然違ったところにあっても
測定器は0または1のいずれかの答になります。
つまり質問がどんなに的外れであろうと、
測定器は常に0か1と答えてしまうのです。
「ぜんぜん」とか答えてくれればいいのに、
かえって迷惑ってやつですねえ。
でも測定というのは、結局
そういうものなんですね?
0か1かを測定しているのですから、
いずれかの値が答えになります。
そこで今度はこの答えが
どういうことを意味するのか、
よく考えなくてはいけません。
たとえば量子の場合、
測定すると、状態が変化してしまい
元の状態は失われてしまいますよ。
1回測っただけではわからないのに、
それじゃあ、1回しか
測れないじゃないですか!!
その通りです。
でも大丈夫、方法はあります。
さてと。続きは来週にいたしましょうか。
(つづく)
「20の質問」いかがでしたか?
答えを知ってて見ていると
なんとなく歯がゆかったり、逆に
ずいぶんうまく答えを絞ったなあ
と思ったりします。
質問が肝心ってことでしょうか。
ちなみに──
たとえば動物であることがわかった場合、
動物のうち当てはまるものと
当てはまらないものの数が
半々になるような質問をするのが
効果的なのだそうです。
さてキュービットを測定するということは
この質問に似ているというのが
今回のテーマ。
私たちが現在使っている
「古典的コンピュータ」の
「ビット」とは、かなり違うという点は、
はっきりしてきたのではないでしょうか。
来週も引き続き
このキュービットを攻めてまいりますよ。
どうぞお楽しみに。
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