わたしだけのマトリョーシカ。
第18週:宇宙とマトリョーシカ。
2009-07-24掲載


突然ですが、「太陽系儀」というものを
ご存知ですか?

太陽を中心として、
水星、金星、地球といった惑星や、
ついでに月などの天体の動きを、
複雑に歯車を組み合わせたりして、
再現させる、精巧なメカなんです。

なんと古代からあったんだそうですよ。

ちょっと待った!
「それでも地球は回っている!」と言った
ガリレオの立場はどうなるんだ?
と思った方もいらっしゃることでしょう。

ところが、古代ギリシアには
地球が中心だと考える天動説と、
太陽が中心だと考える地動説、
その両方があったんです。

古代ギリシアで先駆的に地動説を主張した
アリスタルコスという人物は、
現在月のクレータにその名を残しているんですって。

さて、そんな「太陽系儀」にちなんで、
今週の『週刊リョーシカ!』は
早くも、新しいマトリョーシカ作りに
挑戦いたしますよ。

でもって、ちなみに3個組。

では、どうぞ。


段落替え

●「惑星」とは何か?●

リョーシカ もう、新しいマトリョーシカを
作ったんですか?

わたし そうなんですよ。
太陽系がテーマで、3個組とくれば、

・太陽マト the Sun
・地球マト the Earth
・月マト the Moon

の3体ですよ!

太陽系儀マトリョーシカ制作1
太陽系をイメージして、デッサン開始

リョーシカ なるほど、いいですねえ。
しかし月は、太陽の惑星ではありませんよ。

わたし あ、そうか。
……じゃ、何の惑星なんです?
猿じゃないし……。

リョーシカ
地球の衛星です。


わたし
失礼しました。


リョーシカ
太陽、地球、月の順になっているんですね。


わたし
ええ。



●サンドペーパーは入念に●

わたし 今回使った白木のマトリョーシカは、
2つ目のマトの胴体に欠けがあったんですよ。
このままではちょっとなあ、と思って、
少し入念にサンドペーパーをかけてみました。

太陽系儀マトリョーシカ制作2
サンドペーパーをかけるときに、欠けなども修正しておく


わたし それから、マトの頭部ですが、
あまり「鉢が張らない」シルエットが好きなので
丸くなるように、頭の角も削りました。

こういうときは
サンドーペーパーよりも、
鉄製のやすりのほうが、
うまくいきますね。

リョーシカ そうですね、私もマトリョーシカは
丸いふっくらした感じのほうが
かわいい気がします。

わたし 頭部をなるべく球に近い感じにして、
顔を少し大きめに
まんまるに描いていきます。


太陽系儀マトリョーシカ制作3
白木のマトリョーシカの曲面に、デッサンのイメージを移して、下絵を描く



●筆で線を描かない絵付け●

わたし 今回の太陽儀マトは、
線を描かないで塗ってみようかな
という気持ちもちょっとあったんです。

リョーシカ
輪郭を描かないということですか?


わたし ええ。
特に太陽をとりまくコロナや
そこからふわっとでてくるプロミネンス(紅炎)
などは、いかにもグラデーションで描くのが
ぴったりというイメージだったので、
線を描かずに、色の濃淡で
影や境をつけたらどうかなあと、
うっすら思っていました。

太陽系儀マトリョーシカ制作4
他のマトリョーシカも同様に、下絵完成


リョーシカ なるほど。
そのほうが雰囲気が出ますね。

皆既日食の際、太陽がすっかり隠れると
ふわっとその周りから明るく見えるのが
コロナですね。
プロミネンスが見えることもあります。

わたし ところが、その雰囲気を出すのが
やはり難しかったのです。

高度に装飾的なマトリョーシカの中には
絵付けといっても、
木の上に絵画を描くような雰囲気の
ものがありますよね。

線を描くのが難しいと思っていたけれど、
面のほうが難しかった。

リョーシカ
そうかもしれないですね。


太陽系儀マトリョーシカ制作5
マトリョーシカの絵付け「塗り」のプロセス。


わたし 一方、地図や文字を描くのは
比較的スムーズだったです。

リョーシカ
やはり書いている量が違うんでしょうね。


わたし
そうだと思います。

太陽系儀マトリョーシカ制作6
ニスを塗る時は、まず乾かす環境を整備してから。

わたし というわけで、こんな感じにできあがりました。
地軸ならぬお顔が、
23度26分傾いているような……

それから太陽マトのあたまには
プロミネンスらしきものも
描いてみました。

リョーシカ
ふむ?


太陽系儀マトリョーシカ完成(まえ)
太陽系儀マトリョーシカ(まえ)

太陽系儀マトリョーシカ完成(うしろ)
太陽系儀マトリョーシカ(うしろ)

(つづく)


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