2008-10-03掲載
今週のテーマは初期化です。
簡単に言っちゃうと
初期化とは──
はいみんなー、0に並んでー。
これに尽きます。
でもって、量子でも同じです。
はいおしまい。
だといいのですが……
今週はもうちょっと
踏み込んでみましょうか。
実りの秋ですし。
では、どうぞ!
初期化は「フォーマット」とも言いますよね。
量子計算も、まず初期化するなんて
ちょっとびっくりしましたけど。
そうですか?
量子ビットを用意して、
みんな重ね合わせ状態にして、
ゼロに揃えて……
マトリョーシカ=量子ビットとして、3つの量子ビットが
「0」の重ね合わせ状態に初期化された様子。
……というと
こんな感じでしょうか。
初期化って、もしかして意外と簡単?
ええと、何か操作をするときに、
元の状態がどうであったのかが
わからなければ、
どんなに精密に操作したとしても
結局その状態については
何もわからないことになります。
ですから、まず何の状態にあるのか
それを特定するのが初期化です。
ふむふむ。
量子計算の場合は
「0」の状態に揃えるといっても
ひとつひとつが量子状態に
なっているはずですよね。
すると、まず、
どうすればこれで揃っている、
と確認できるのか、
古典の場合のように簡単ではない
というわけなのです。
あ、そういえばそれ、
第41週
でやったのと関係ありそう。
第41週
では──
「ある特定の動作ができた」といっても
「全部量子的に動いているのか、」
「量子性が確認されているのかどうか、」
という点がポイントです!
というお話でしたよ。
そうですね。
量子計算の初期化で問題なのは、
どれだけきれいに初期化できているか
です。
つまり……
初期化したといっても、
本当にそうなってるかどうか
そのあとどうかしちゃったりしないか
……そういうことがいろいろと
まだまだ問題ってこと?
ええ、そうです。
初期化がきちんとできているか、
それを一体どう確認するのかなど
難しいことがいろいろあります。
やっぱり難しいのか!?
はい。
しかし初期化も難しいですが
もちろん難しいのは
それだけではありません。
なるほどー。
でもって
最後答えを得るときには、
これらの量子ビットを
1つずつ測っておしまい。
その間にあるのがユニタリー変換ですね。
ユニタリー変換ってことは……
こんな感じ??
!?……。
今週は、このへんにしましょうか。
ええっ!
(つづく)
初期化、いかがでしたでしょうか。
簡単なようですけれども
これができないと確かに
計算ができない。
とても大切な課程でもあるんですねえ。
また「初期化」といっても
いろいろと量子ならではの問題が続発!
これを乗り越えるには、
たぶん、古典的な発想から
しばし離れるのが一番!
と思います。
そういったこともみんな
私たちが量子コンピュータを使う頃には
当たり前になっちゃっているかも
しれませんけどね。
さて、量子計算、
来週も、続きます。
どうぞおたのしみに。