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FILE: 003『ようこそ量子』の冒険 page3

『ようこそ量子』の制作経緯
~「共著」という共同作業について~


『ようこそ量子』には刊行以来、多くの関心をお寄せいただいております。また取材時のご質問では、専門的な話題以外に、特に本書の執筆過程へのご質問をいただきました。そこで今回は、この共同執筆をテーマに、そのプロセスをご紹介。なお巻末にご紹介いただいた主な記事の一覧を掲載いたしました。この場を借りて御礼申し上げます。

根本香絵 ●量子をもっと身近に、広く楽しめるアイデアを
私はまず、専門的な知識や数式などの表現を借りなくても、量子という新しい概念の不思議さが楽しめるアイデアをどんどん出していくことにしました。単なるたとえ話ではなく、概念のエッセンスが伝わるアイデアをと試行錯誤する中から、量子コンピュータの並行処理をイメージさせる「量子オフィス」、量子状態を表現する「量子山手線」、量子に特有な「エンタングルメント」を具体的にイメージできる「ぷるぷる量子テレポーテーション」などのオリジナルな例が形になっていきました。こういった作業自体、とても楽しいものですし、一般の方だけでなく既に量子力学を学んだことのある方々の理解を深めることにも役立つのはないかと思います。


●選りすぐったアイデアを、言葉やストーリーへ
またアイデアはおもしろくても、読む人がそれをどう受け取ったらいいのかわからないというのでは困ります。そこで共著者の池谷瑠絵が、私の頭の中にあるアイデアや、物理的な状態についての理解、量子的な考え方といったものを、具体的な言葉やストーリーへと"翻訳"することにより、具体的な執筆が進められていきました。さらにこの量子という概念のエッセンスを理解するために役立つ知識や展望、"量子的"な考え方、量子力学における量子という概念の発達、将来を含めた量子と人々の生活とのかかわり、量子情報科学や量子コンピュータの研究の展望なども盛り込み、読者の方々の関心に応じて、いろんな角度から量子へアプローチできる構成としました。
(根本香絵)


<ご紹介いただいた主な新聞記事等のリスト>
2006年3月23日:日刊工業新聞
「芽育む研究室」のコラムで、根本香絵の日々の研究や人材育成の様子をご紹介いただきました。

2006年7月25日:朝日新聞
コラム「ぱーそん」で、「アイデアの新しさと技術の拡張性の高さにこだわ」った理論的提案を繰り出す科学者として、ご紹介いただきました。

2007年1月8日:産経新聞
科学欄「BOOKS」で『ようこそ量子』が紹介されました。

2007年1月29日:日刊工業新聞
『ようこそ量子』の紹介記事が掲載されました。

根本香絵・池谷瑠絵2007年2月27日:東京新聞
「難解な「量子」姉妹が紹介」として、『ようこそ量子』の取り組みをご紹介いただきました。

2007年3月5日:フジサンケイビジネスアイ
書評欄のコーナー「著者が語る」に採り上げられ、所感を述べました。

2007年3月22日:日刊工業新聞
情報セキュリティに関する連載で、「量子が拓く通信技術と暗号の新潮流」を執筆担当しました。

※取材のお問い合せは⇒rue(a)ryosi.comへ。※(a)を@にして送信してください。