FILE: 002『ようこそ量子』を読む page3
"これまでになかった量子のエッセンシャル・ストーリー"が生まれた経緯
『ようこそ量子(丸善)』について 根本 香絵(国立情報学研究所助教授) ●量子的な考え方が、もっと世の中に広まってほしい 最近、ニュースなどでも「量子」と付く語を見かけるようになってきました。しかし量子とはどういう概念なのかとなると、まだそれほど広まってはいないように見受けられます。そこでビジネス・パースンをはじめ一般の方々が、量子という概念のおもしろさに触れる機会となるような本を作れればと考えたのが、本書のきっかけでした。 ●不可思議な「量子」を理解するコツを伝授!? 量子は難しいと言われますが、その難しさは概念そのものに由来します。たとえば量子という概念を理解するにはまず、私たちが漠然と「科学的」と信じているルールを大幅に更新しなければなりません。このような場合も、物理の世界からいったん外へ出て、自分の常識が通用しない世界でサバイバルする方法を例に考えるなど、身近で多角的なアプローチを試みています。 ●量子という概念のエッセンスを伝える工夫 本書では特に、量子という概念のエッセンスが自然とわかり、物理的にどのような状態にあるかが伝えられる表現にこだわりました。その中から「量子オフィス」「量子山手線」「だまし絵が語る重ね合わせ状態」などのオリジナルなビジュアルや文章表現が展開できたのではないかと思っています。この小さな新書が、より多くの方々に役立つことを期待しています。 |