スピントロニクスの実験室
ダイヤモンドのNV中心にあるスピン1個1個を検出し、観測し、操作する大阪大学水落准教授の実験室。このようなナノレベルの世界では、物質は量子的にふるまうことが知られています。一方、ダイヤモンドに特徴的なのはなんといってもこの実験室が「室温」にあること。それにしてもNV中心のスピンが安定だというのは、人類がダイヤモンドに託した永遠のイメージに、ぴたりと合致しています。
制御室閉じる ダイヤモンド中のNV中心のスピンを操作したり、その状態を記録したりする制御室の様子。 |
実験室ピンクダイヤモンドのNV中心にある電子スピンを光で読み出し、中継していく実験装置の様子。「室温でできる」ということは冷却のための特別な装置が要らないということでもある。ピンクダイヤモンドのNV中心にある電子スピンを光で読み出し、中継していく実験装置の様子。「室温でできる」ということは冷却のための特別な装置が要らないということでもある。ピンクダイヤモンドのNV中心にある電子スピンを光で読み出し、中継していく実験装置の様子。「室温でできる」ということは冷却のための特別な装置が要らないということでもある。 |
試料の様子閉じる NV中心が高い濃度で埋め込まれている人工ダイヤモンド試料は、やや紫っぽいピンク色をしています。一方、1つ1つのNV中心を観測する研究では一般に、NV中心の濃度が低い無色透明の人工ダイヤモンドを使います。また同じ単元素結晶でも、その代表例であるシリコンでは、その結晶中にある空孔が、たったマイナス269℃程度の超低温でも動いてしまうのに対して、ダイヤモンドのNV中心は1500℃でも動かないという優れた安定性を備えています。 |
NV中心を「見る」図の赤く光っている部分がNV中心。オングストロームレベル(1オングストローム= 0.1ナノメートル)の構造体だが、光の回折限界から、実際の蛍光イメージ像の大きさは直径最大350ナノメーター程度になる。その1個1個にあるスピンが量子情報を担っている。 |
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