超低温冷蔵庫の中のミクロな世界
ベルトの金具のような形をした薄いグレーの部分が「超伝導量子ビット」の回路です。この上に透明なダイヤモンドの単結晶板が乗せられ、相互作用している様子が描かれています。図の中で多数の光っているのがNV中心。図の中の[+]マークをクリックすると、説明文が表示されます。(アニメーションはこちら)
希釈冷凍装置
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図に描かれた装置を試料ホルダーに固定し、希釈冷凍装置(写真)の一番冷える「コールドフィンガー」と呼ばれる部分にセットする。
スピン集団
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超伝導量子ビットとその他の回路(測定用)を覆っているのは、板状のダイヤモンド単結晶。超伝導量子ビットから量子状態を移すことができる 約3,000万個のNV中心が存在する。
NV中心(NVセンター)
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ダイヤモンド結晶格子の炭素(濃いグレーの球)が窒素(N)で置換され、隣りに空孔(V)がある配置の複合欠陥をいう。マイクロ波と光学波長の2つのエネルギーレベルと併せ持つ。
ダイヤモンド単結晶板
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面積は約1.5ミリ平方。3本の線が集まるところに超伝導量子ビットがある。この周辺部だけをぐっと拡大して描いたのが、背面のイラストだ。
強結合
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回路に電流が流れると磁束が生じ、NV中心との強い相互作用を引き起こす。
スーパースピン
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超伝導量子ビットとの強い相互作用を示すNV中心。光っているのは、NV中心の中にある電子が回転して、量子状態を担っていることを示す。NV中心はスピンの回転の有/無で1量子ビットを担う。
ジョセフソン結合
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超伝導量子ビットの回路上には4つあり、そのうちの2つを利用して磁束をコントロールする。
超伝導量子ビット(人工原子)
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超伝導回路は、NV中心の数万倍の大きさを持つ、人工原子の一種。他の量子系との強結合が容易に実現できるため高速演算に向いている。電流の右回り/左回りで1量子ビットを担う。
写真・イラスト提供:NTT物性科学基礎研究所